「建築条件付き土地」=売建住宅は、家の建築にかかわる建築会社が決まった状態で販売されている土地のことです。
自由に建築会社が選べないものの、候補エリアで販売されていたり、間取りプランの自由度はあるので、デザインや仕様に強いこだわりがなければ
場所・価格・内容のバランスに優れている「売建住宅」が選ばれる機会も多くなります。
Contents
注文住宅と建築条件付き土地の違い
上記の比較表から
注文住宅のメリットは、デザインや性能などに自分たちの要望を自由に反映させられること。
デメリットは、自由度が高いゆえに、高額になる恐れもあります。
売建住宅(建築条件付き土地)のメリットは、ある程度のプランの自由度があるけれど、注文住宅よりも安価であること。
デメリットは、プラン変更の際に追加料金が高かったり、変更不可の項目もあるところです。
それでは、事業者側から見て、建築条件付き土地が販売される理由とは何でしょうか?
建築条件付き土地が販売される理由
主なパターンは4つです。
1 建売住宅(分譲住宅)になる前段階に「建築条件付き土地」で販売する場合
不動産会社は、建売(たてうり)の新築住宅を販売する場合、自治体に「建築確認申請」をして「建築確認済証」を取得しないと広告はできません。
行政の許可がないと、新築分譲として販売できないのです。
不動産会社からすると、この「建築確認済証」が取得できるまで、その土地の販売活動ができないので待っている時間を無駄にしないために、「建築条件付き土地」として売り出します。
2 建築会社が土地を所有している場合
ハウスメーカー・工務店などの建築会社自身が土地所有者になっていることもあります。
そもそも建築会社は、建物を自分の会社で作って販売したいので、自分の会社で建築をしてもらうことを前提とした「建築条件付き土地」で販売しています。
この場合の建築条件付き土地は、仕様・設備・性能・構造・間取りなどに制限がついていることもあるので注意が必要です。
3 不動産事業会社の想いがある場合~自由なプランで建ててほしい
一生に一度のマイホーム計画。
ならば購入者が自由にカスタマイズできる部分もあって、価格も抑えることができたら満足度は高いはず!
リビングは2階に作りたい、大きなファミリークローゼットがほしい、床暖房もいいけど天井の断熱材を良くしたい、キッチンはアイランドタイプがいいな。。。
お客様の数だけ要望の数もあります。
その要望にできるだけ応えたい、オンリーワンの家づくりに協力したい。
注文住宅までの自由度はないけれど、その分価格も抑えて経済的に提供したい。
そんな想いから、あえて売建住宅を主として販売する企業があります。
4 価格競争から逃れるための場合
分譲住宅の中には、大量に仕入れて大量に販売、工期も極めて短く効率的に行い1戸あたりの単価をとても安くして、年間数千個単位で完成させる「パワービルダー」と呼ばれる建築会社があります。
このような会社が競合相手となる場合、価格勝負では完敗することが多いので、同じような販売方法は避けます。
パワービルダーの住宅プランは企画がしっかりしていますが、個性が乏しい傾向にあります。
ここを競争点として「建築条件付き(売建て住宅)」にすることで、消費者のニーズを得ようと計画することがあります。
まとめ
- 「注文住宅」と「建築条件付き土地」の違い
現況・契約方法・建築条件・変更項目・設計提案力・価格・メリット・デメリット
それぞれに特色がある。
- 事業者側からみて「建築条件付き土地」を販売する理由とは
- 分譲住宅になる前段階に「建築条件付き土地」で販売する場合
- 建築会社自身が土地を所有している場合
- 不動産事業会社の想いで販売する場合
- 価格競争から逃れるための場合
いかがでしょうか?
注文住宅と建築条件付き土地と、どの部分が違うのか。
なぜ建築条件付き土地というものが販売されるのか。
少しでも理解が深まれば幸いです。