こんにちは一級建築士の八木といいます。
今回は「制作階段の魅力」についてお話したいと思います。
階段の魅力
階段というと上階と下階をつなぐ通路というのが一般的な階段の役割です。
今回知って頂きたいのは、一般住宅での階段は、
建築の中で、なんと4帖程度にもなる大きなスペースを利用しています。
上り下りだけしか役割が無いというのは勿体無い!と思いませんか?!
しかし、各フロアにおいてヨコに広がる空間に唯一、上階・下階を結ぶアイテムなので工夫すると、とても魅力的な空間を演出できます。
建材メーカーの階段はコストパフォーマンスは良いのですが設置場所に制約があったり、見た目も画一的だったりと、まさに上下階の移動のための機能に収まりがちです。
そこで、制作段階とすることで「階段+α」としての利用を提案したいと思います!
今回は、そんな制作階段の事例を3つ、ご紹介したいと思います。
階段+ライブラリー
階段横に本棚を設ければ、ライブラリースペースになります。
おこさまが階段に座って本を読むこともできそうです。
毎日つかう階段がライブラリースペースになっていると、本が好きになるかも!?
子どもたちが階段に座って絵本を読んだり、ペットと遊んだりするシーンが浮かびませんか!
スチール(鉄)フレームのストリップ階段
スチールのストリップ階段は、空間を邪魔することがありません。
風通し・光の差し込みもあり、存在感を消すことも、階段そのものを印象的なデザインアイコンとして演出することもできます。
私も限られた空間を広く見せるとき、上方からの日照をリビングに注ぎたいとき、設計の際によく登場します。
らせん階段
らせん階段は限られた面積・空間を有効に利用するために、最上階までつらぬいてつなげることができます。
吹き抜けのような風通しと光をもたらせてくれます。
こちらもよくご提案はするのですが、費用が高いため、あまり採用になりませんが、機会があればぜひ挑戦したいものです。
まとめ
いかがでしたか?
制作階段には ”腰かけ椅子” “くつろぎ場所” などの機能を併用できたり、
階段そのもののデザインや、景色・空間など、さまざまな要素で目を楽しませ、感性を刺激する
「プラスα」のアイテムに感じていただけたのではないでしょうか。
制作階段を採用するには、それなりの設計図書が必要なので設計側や施工側には手間はかかりますが、提案側が得意だったり、作り手側が「やりたい!」といった場合は、およそ手順に慣れ親しんでおり、思ったほど予算を必要としない場合もあります。
わたしたちの場合は、施主さま側からニーズがなくとも積極的に提案します(笑)
最近は一生に一度のマイホーム建築の方が多くなっています。
家の中に、居心地がよくて愛着のある階段があると、日々の暮らしがきっと豊かになるのではないでしょうか。
八木でした。