|空家:心配ごと4選 | CoCoDA – BLOSSOM DESIGN-

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2023.10.01

|空家:心配ごと4選

このブログは業界歴30年の宅地建物取引士が
執筆しています。

①税金がかかる(固定資産税・税務上の特例・原価償却)
②家の傷みが進む
③近隣への迷惑(防犯面・消防など) 
④資産価値が落ちやすい 

利用していない住宅、利用しなくなる予定がある住宅があると、所有者は気がかりが増すばかりです。

例えば長く利用していない空家・空室がある。相続取得した空家(実家)がある。といった場合

「売った方が良いのは分かっているが、面倒そうで売却に踏み出せない。」
という方は多いのではないでしょうか。

そんな不安から解消されるためにも「売却」は重要な解決策ですが、先ずはいま漠然とある不安を明確にするため「空家の心配ごと」を順番に詳しく見ていきましょう。

 税金がかかる

■固定資産税・都市計画税

空家(空室)といえども不動産なので、所有している限りは固定資産税が発生し続けています。

固定資産税の課税要件は使用しているかどうかではなく、所有権を持っているかどうかです。

■譲渡所得税

居住用財産(マイホーム)は、譲渡して得た売却益(譲渡所得)から最大3,000万円を控除する特例があります。
マイホーム所有期間の長短に関係なく適用できる特例です。


譲渡益が3,000万円に満たない場合は、その金額までの控除となり税額は0円になります。
譲渡益が3,000万円を超える場合には、超える金額に対して、短期譲渡所得又は長期譲渡所得などの税率を適用することになります。


この特例には併用利用できない特例があるので注意が必要です。
居住しなくなって、3年目の年末を経過してからマイホームを売却することになった場合、売却益から3,000万円を控除してくれるこの制度は利用することができません。


もし、売却益(譲渡所得)が3,000万になるのであれば、税額が0円なのか、600万~1,200万(長期譲渡~短期譲渡の概算)となるのかで随分と違ってきます。

実は相続で取得した不動産も、一定期間内に売却すれば税金が軽減される特例があります。
そこは今回は長くなるので割愛します。

■減価償却する

これは税務上の話ですが、空家(空室)か居住中かに関わらず、実は毎年、建物価値が目減りしています。


購入時の評価額が3,000万円の建物でも、税務上は毎年一定割合で資産が減額されています。

減価償却を考えずに、単純に”購入した金額”と”売却した金額”のみを比較して
売却益がないと考えていた不動産が、減価償却を計算に入れると1,000万を超える売却益(譲渡所得)が発生してしまう時があります。

マンションの場合だと、毎月管理費や修繕積立金など数万円単位の出費も考慮しなくてはなりません。
固定資産税と同様に所有者に負担が発生します。

 家の傷みが進む

所有する空家(空室)は遠方になるケースが多く、管理が行き届かないことがあります。

風通しが悪くなり、湿気・カビ・害虫などが増すことから、人が住んでいる建物よりも傷みが早く進みます。

人が住むことで適切に管理され、良好な状態を保つことができます。

給湯器やガスコンロ・床暖房や空調など、機械モノ設備は利用していない期間があると故障の原因になります。

雨漏りや、地震や台風の影響・白蟻など、住んで居れば気が付くポイントも、管理が行き届かないと気が付かず、家の健康悪化が進みやすいのが空家(空室)です。

故障や不具合・汚れは、売却する場合はもちろん
賃貸にする場合でも所有者側で交換しなければならない場合が多いと思います。

さらに家の健康を脅かす『雨漏り・地震や台風の影響・白蟻』は、対応が遅いと解体を余儀なくされることもあります。

 近隣への迷惑

空家は防犯面や火災なども心配です。

マンションの空室であれば、管理費や修繕積立金など毎月支払いが生じる代わりに、室内以外は適切な管理がなされます。

しかし戸建の空家の場合、所有者は定期的に建物周囲の敷地を清掃・雑草除去などが必要です。

これを怠ると外部から見ても空家とわかり、閉鎖された外部から目の届かない空間は、泥棒の侵入経路になったり、動物のたまり場になったり、その他、犯罪を誘発する恐れも出てきます。

ご近所の心配が増えてしまいます。
また不審火等で火災が発生する場合もあります。
火災保険は空家(空室)であっても継続して加入することをお勧めします。

 資産価値が落ちやすい 

維持管理が行き届かない住宅は、家の表面的な傷みだけでなく、健康を害してしまいます。
また建物周囲の環境も、人が住まないと独特の荒れた空気感になってきます。

そのまま売却する(賃貸する)場合は、購入者(賃借人)にその空気感が伝わってしまうので価格に反映され
売却価格(家賃)は下がります。

それでもいつかは売れる(貸せる)のでしょうが、家が良い旅立ちを迎えるには、ネガティブに感じ取られることがないよう、適切な修繕が必要となります。

 まとめ

利用できていない、利用しなくなる住宅があると、日常に追われていたとしても、やっぱりこんな心配事が所有者の頭の片隅にあるのではないでしょうか


空家・空室は、放置期間が長いほど税金(固定資産税)や維持費(マンションの管理費&修繕積立金・火災保険料・戸建の清掃費用など)が負担となります

税制上の優遇特例(3000万円控除)が失われ、減価償却でなぜか譲渡時の税額が増える場合があり、家の維持管理に手間をかけるものの、居住しているほどは世話ができないので建物の健康を害しやすく、資産価値をさげてしまうことにも。

「売った方が良いのは分かっているが、面倒そうで売却に踏み出せない。」という方は、一度思い切って踏み出してみてはどうでしょうか。

また、売るだけではなく活用する方法もあります。


この下の写真は長らく空家で、なかなか踏み出せなかったお客様の家に、リノベーションを施した一例です。

売ってよし。貸してよし

建築・ファイナンス・不動産マーケットの3つの視点から、総合的な意見をご提案できるのが
ココダ by ブロッサムデザインです。

どうぞお気軽に、ご相談ください。

「こことち」を始めた理由

改めまして、私は「こことち」を運営するBLOSSOMDESIGN株式会社の代表、中濱整啓です。

これまでの経歴を紹介しますと、20代~30代は年間5,500件程度の仲介を行う、いわゆる不動産屋さんのエリア母店長を歴任し

その後40代には、年間160億円ほどの住宅建設に携わる建築設計企業で、執行役員(本部長)を経験してきました

不動産・建築業界に長らく身を置いてきましたが、業界の現状には大きな疑問を感じています。
それは業界の利益を優先した取引慣例、売上至上主義のビジネスモデルです。

「こことち」は、全員が納得し、売主・買主双方の利益を最大化することを目指しています

私が「こことち」を始めるにいたった経緯を読んでいただけますと幸いです。

不動産業界の現実

残念ながら大手・中小問わず、悪徳仲介業者が少なからず存在します。

彼らは自分たちの利益を追求するあまり、顧客が本来得ることができた利益を遵法で搾取しています。

搾取しているからこそ、手厚い表面的なサービスにより顧客は満足度は高く、問題は表面化し辛くなっています。

アメリカで見つけた理想

私は30代半ばに、米国・サンフランシスコへ研修の機会を得ました。

そこで、米国の不動産取引の慣習や現状に衝撃を受けました。

米国では、売主専門のエージェント(担当)と買主専門のそれが別々に存在し、各々が顧客の利益を最大化し、リスクを最小化するために動いていました。


売主と買主は利益相反する
どちらかにとって得なことは相手にとって損失になりうる。
であるからこそ、売主のための専任担当、買主のための専任担当という明確な役割分担があり、公正な取引が実現されていたのです。

「売主・買主の双方から直接依頼を受けるなど考えられない」と当時の米国エージェントが答えていたのが忘れられません。

日本の不動産流通

ところが日本の不動産業界は、この双方からの直接依頼が「両手仲介」との呼称で、当然のごとくまかり通っています。

何度も言いますが不動産は本質的に、売主・買主が利益相反の関係です。

また今日の日本での仲介制度では売主と仲介会社も利益相反の関係になっています。

高く売りたい売主、安く買いたい買主。そして手数料を大きくしたい仲介会社。

このトライアングルの中で、売主と買主の要望実態を握っているのは仲介会社だけ。

そのため、不動産屋は手数料の最大化を一番重視しながら、売主さま・買主さまの双方にとっての妥結だけを狙った対応になってしまうことが少なくありません。

その結果、資本力のある企業が、広告宣伝費をかけ、ブランドを醸成して、安心感をもたせておいて
不動産取引の情報弱者である顧客に対して、遵法としながらも搾取することを商慣習としています。

日本には日本の法制度があり、慣習があるため、米国の制度はそのまま利用できません。

一時、民主党政権下では、この両手仲介を禁止にしようとするマニフェストが確かありましたが
いつのまにやらロビー活動によって消滅した記憶もあります。

こことち開発に至った想い

日本の法制度において、仲介会社は仲介手数料を多く得られる方法を優先して取引を操作しています。

この操作を回避するためには、いっそ売主・買主が直接出会えればよいのではないか。

ましてや今日のWEB・SNS・IT技術をもってすれば、コストも抑えて売主・買主が直接出会えるのではないか。


そこには仲介担当者の手助けはないかも知れない、自分で相手とコミュニケーションをとる面倒を感じるかも知れない。

ですが生み出される結果こそが、売主・買主双方が満足できる取引が実現できるのではないでしょうか。


正義感とかそんなものではなく

「自分が売主なら、買主なら、そんな手数料利益を優先する仲介制度は、手間がかかっても利用したくない。」
そんな想いから開発にいたりました。

「脱不動産屋」により、売りたい、買いたいの意思が直接WEB上で出会えて

相手が見つかったら、不動産取引のプロに、安全な取引のために適正な調査に入ってもらい、取引を成立させてもらえばよいのです。

誰もが納得できる不動産取引を

そんな想いから、私は新しいサービス「こことち」を立ち上げました。

「こことち」は、不動産仲介業者を介さずにお客様同士で直接不動産売買ができるプラットフォームです。

手数料の最大化を重視する仲介会社による斡旋対応を回避できれば

もしかすると数千万高く売れることも、倍の値段で売れることも、過去の経験から可能性が大いにあります。

またWEB・SNS・IT技術はコスト削減をもたらし損益分岐も下げ、取引手数料の削減も可能となります。

今ある取引を全て否定するつもりはありません。

顧客ファーストな想いで活動されている会社もたくさんあります。

ただ選択肢として、直接出会うのもありではないか? 

既存の仲介制度を利用しながら、「こことち」でも探す

そんな新たなマーケットを作ってみたいと思いました。

正解は人それぞれだと思います。
ですが「こことち」は、いままでになかった不動産取引の新しいカタチを実現します。

不動産の売買を考えた時には、ぜひ「こことち」にご登録ください