規模の大きな宅地の売り方 | CoCoDA – BLOSSOM DESIGN-

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2023.05.23

規模の大きな宅地の売り方

「規模の大きな宅地」を「売主自ら分割して売る」ことは違法なの?


飲食業・旅行業・ホテル業、そして宅建業と、それぞれ業界には消費者保護のために免許制度で許可を受けた事業者しか業務を行えないことになっています。


今回、みなさまが所有している「規模の大きな宅地」を市場ニーズのある大きさに分割し、複数回に分けて処分するには免許を必要とするかどうか。
そんな視点も含めてご紹介したいと思います。

 規模の大きな土地とは

規模の大きな土地とは、おおまかに言うと三大都市圏だと500㎡以上の敷地で、三大都市圏以外の地域だと1,000㎡以上の地積と税務上定義されています。

不動産売買の現場においては、場所にもよりますが30坪~50坪が一般住宅の土地購入サイズですので、実際100坪(約330㎡)もあると、マーケットでは十分、規模の大きい敷地となります。

 規模の大きな土地は売りにくい?

規模の大きな土地は、一般住宅の大きさの土地に比べて場所によっては売りにくくなります。
その理由は

購入者を限定してしまう

土地を探されている方には住宅用地を探している方が多く、平均的な広さを求めています。規模が大きいと利用用途に困まるので避けられがちです。
すると購入者は不動産事業者・法人などに限定されてきます。

売買価格が高額のため避けられる

土地が大きいと土地価格がその分増額します。
それに敷地が大きいと外構工事費も大きく膨らむので、予算に余裕のある方しか個人だと難しくなり、買い手が見つけにくくなります。

エリアごとに適切な土地サイズがもっとも流動性がありますが、それ以上大きく高額になると、避けられ、購入者が限定され、結果値段が下がってしまいます。

規模の大きな土地を上手く、マーケットニーズに合わせて売る方法があるのか見てみましょう。

 売主側で区割りして売却しては?

大きい土地は購入者が限定されるのであれば、売主側でマーケットニーズのあるサイズに区割りし、買主を探す方法があります。
ところが原則、個人が一般住宅の大きさに区割りして販売ができないことになっています。

理由は。。
①反復継続した不動産売買の取引きは宅建業免許者の仕事であること
②免許者は各種法律に従って消費者の安全を確保するための義務があること
③違反した場合の罰則があること
④これら免許制度によって、不動産購入者の安全安心が確保できること
これらが個人が区割販売できない理由です。

つづいて宅建業に該当するかどうかの判断基準を国土交通省のHPから引用して見てみましょう。

 宅建業の判断基準  


判断基準その① 取引の対象者
広く一般のものを対象に取引を行おうとするものは事業性が高く、取引の当事者に特定の関係が認められるものは事業性が低い。

判断基準その② 取引の目的
利益を目的とするものは事業性が高く、特定の資金需要の充足を目的とするものは事業性が低い。

判断基準その③ 取引対象物件の取得経緯
転売するために取得した物件の取引は事業性が高く、相続又は自ら使用するために取得した物件の取引は事業性が低い。

判断基準その④ 取引の態様
自ら購入者を募り一般消費者に直接販売しようとするものは事業性が高く、宅地建物取引業者に代理又は媒介を依頼して販売しようとするものは事業性が低い。

判断基準その⑤ 取引の反復継続性
反復継続的に取引を行おうとするものは事業性が高く、1回限りの取引として行おうとするものは事業性が低い


どうですか?
自宅地や相続で取得した複数財産の処分を、不動産仲介会社に一括で依頼して、一人の相手に対して不動産を一括売却すれば、宅建業には該当しないということです。
適正サイズの土地ひとつだけ所有しいる場合は良いですが、相続などで複数所有していたり、大きな土地だったり、換金を順番にするなど、売主側の都合もあります。
ですので宅地建物取引業法に明記されたリール通り、処分するのは現実無理ではないでしょうか。

はっきりいって非現実的です。
複数不動産や大きな土地を所有している方が、もしこれを行えば、本来売却できる価格より大きく値段が下がってしまいます。

ですから実態としてお話しすると、
誰しも複数年・複数回にわたって、複数人の相手に売却することがあります。
これをもって断定的に「宅建業に該当するから無免許販売だ!」とはみなされません。


もちろん、利益を得る目的で不動産を購入して転売を繰り返す個人が、宅建業免許なしで活動すると問題があります。


ですが、相続で取得した不動産、転勤等で生活の都合上、不動産を複数所有する場合、賃貸業を小規模に営む場合の処分は、これに該当しない。とみなされています。


念のため、宅建業に抵触する”無免許販売”に該当するとどうなるのか見ておきましょう。

 宅建業とみなされた場合の罰則

不動産の取引が反復継続したものであるなど、事業性が高い取引であったと見なされた場合は、宅地建物取引業を行ったと認定されてしまいます。

もし宅地建物取引業の免許を所持せず行った不動産売買が、宅地建物取引業と見なされてしまった場合、罰則があります。

個人が無免許で宅地建物取引業を行った場合、3年以下の懲役か、300万円以下の罰金、またはその両方が科せられる可能性があります。
また、法人として行った取引が無免許での宅地建物取引業の営業であると認定された場合は、1億円以下の罰金となります。

 無免許営業とみなされないための注意事項


免許事業行為と見なされると、5章でみたように罰則が科せられる可能性があります。
罰則を避けるためにも以下の点に注意しましょう。

①不動産の売却を行う際には、不動産会社に代理もしくは媒介・コンサルティングを依頼する
②短期間で複数回の売却は避ける
③相続以外で、所有期間が短い居住用以外の不動産売却は、転売目的と見なされる可能性があるため
 注意する
④広い土地を売却する場合は、複数人への売却は避ける

これらに一つでも該当すれば、”宅地建物取引業と見なされる”ということではありません。
できるだけ高く売りたい。手元にお金を残したい。という個人の想いは当然です。
ですが事業性が高くなる要素をなるべく避けて規模が大きな土地は売却しましょう。

不安な要素がある場合は、必ず不動産会社と相談をしながら売却を進めていきましょう。

 規模の大きな土地の売り方

不動産事業者に一括売却する

みてきたように、宅建業法に抵触することなく最も安全な売却方法です。
ですが、そもそも敷地が大きいため標準サイズの土地より値段が下がるうえ、営利目的である不動産事業者が買うことから、結果、標準サイズの土地価格と比較すると半分近くまで値段が下がる事もあります。

とはいえ、スムーズな売却で手間もかからず、換金スピードも速いなどメリットも大きいと思います。

売主側で区割り計画を立てて売却する

標準サイズに区割りすることでマーケットニーズに合致し、結果相場で売却が可能となります

・相続で取得した敷地
・数十年所有してきた敷地
・マイホームであった敷地

など、取得原因に事業性がないことは重要な要素となります。

また区画数も一概には言えませんが2~3区画程度であれば問題ないのですが、数十区画になるとさすがに「それ事業でしょ!」となります。

この方法で売却する場合は、売却時間に余裕をもって、信頼できる不動産コンサルティングの会社や仲介会社と連携して進めることが大切です。
市場ニーズや違反行為を避けるための手順や、税制の理解など、総合的に情報収集して進める必要があります。

 AI査定を利用して価格差を知る

もし、今所有している土地が100坪あるとしましょう。
場所にもよりますが、周囲の街並みからして30坪前後の敷地が多いエリアであれば、2分割もしくは3分割したほうが高く売れます。

3分割して売り出した際の価格、100坪で一括売りした際の価格、この違いを見るには「AI査定」を利用するのがおススメです


AI不動産査定は、人工知能(AI)技術を用いて不動産の価値や査定額を推定することを言います。
従来の不動産査定では、不動産鑑定士や不動産業者が現地調査や市場動向の分析を行って、経験や知識に基づいて査定額を算出しました。


AI不動産査定は膨大なデータを解析し、機械学習や統計モデルを活用して査定額を推定する方法です。
不動産の特徴や条件を入力すると、地域の相場などの情報をAIが自ら収集し、それに基づいて自動的に価格算定ができる仕組みです。

具体的なAI査定方法

① 所有する100坪の土地を入力して査定結果を確認する
② もういちど、今度は30坪で入力した際の査定結果を確認して①と比較する


この二つの手順を行うだけで金額差の具体的なイメージがつきます。
100坪だと6,500万円 30坪だと3000万円 との結果になる事もあります。
不動産業者の買取だと、一括100坪が5000万になったりします。
是非一度試してみてください。

神奈川藤沢市であればコチラからAI査定が可能です。一度確認してみましょう。
https://www.aisatei.com/?id=d264c121-66fc-b770-33c3-3f8e3be6169a

 まとめ

父母から相続で受け継いだ土地や、かつてのマイホームであった土地を、できるだけ良い条件で換金をすることで、自分たち家族や、子・孫へ思いが受け継がれることになります。
安易な売却にならぬよう、情報収集して挑みましょう。


以前から「分割して処分=宅建業法に抵触=罰則」といったイメージで売主さまへお話しされる不動産業者さんが多いと感じていました。

そこは実務では必ずしもNGではないこと、取得した経緯を中心に個別事情によるところも多分にあることを、今回お伝えしました。

ちなみにエリアの特性によっては、大きな宅地を一括売却するからこそ、高額で売却できる可能性のある場合もあります。いわゆるマンション建設用地です。


このニーズが発生するエリアの土地は、区割り売却するより、マンションの建設会社に一括売却するほうが高額で成約できます。


どのような売却方法が適した土地なのかは、専門家の意見収集が大切です。
また大きな敷地と言えど、分割処分の検討もする場合は、地積測量の作業も必要となります。

是非、専門家を巻き込んで進めてください。