媒介契約は途中でやめられる? | CoCoDA – BLOSSOM DESIGN-

BLOG

2024.01.16

媒介契約は途中でやめられる?

媒介契約は途中でやめられる?

結論から申しますと、媒介契約を結んでお任せしている仲介会社が、宅建業者としての「誠実な履行義務を損なった場合」は、いつでも中止できます! 


誠実な履行義務を損なうって、何なんでしょうね💦
早速「誠実な履行義務」とは具体的にどんなケースか、専任媒介契約(媒介契約は3種類あります)を例にして見ていきましょう。

誠実な履行義務

①媒介価格の決定は、その根拠を明示して説明
②レインズに、契約日から7日以内に物件登録
③販売活動の報告
④売出しの後、媒介価格が不適当となった際は、その根拠を明示して説明
⑤契約の相手方となる者と契約成立に向けて積極的に調整
⑥購入申込が相手からあった場合は遅滞なく、その旨を報告する

もう少し具体的に見ていきましょう

①媒介価格の決定は、その根拠を明示して説明

売却を始めるときに、仲介会社は適切な価格明示と価格根拠を、売主様が理解できるような具体的な事例を以って、説明する必要がありあす。

できれば口頭ではなく書面で記録が残るようにしています。

②レインズに、契約日から7日以内に物件登録

国土交通大臣が指定した流通機構(通称:レインズ)は日本全国にある全ての不動産仲介会社が情報交換する市場(いちば)です。

広く契約の相手方情報を探索するため、このレインズに「所在地・規模・形 質・媒介価額・その他の事項」を、媒介契約締結日から7日以内に登録しなければなりません。

③販売活動の報告

売出を開始したら任せっきりではなく、具体的な販売活動の内容や購入者の反応など、少なくとも2週間に1度の頻度で売主へ報告しなければなりません。

報告方法は電子メール・書面となり、電話やLINEなどは、この報告には該当しません。

④売出しの後、媒介価格が不適当となった際は、その根拠を明示して説明

販売活動によって具体的な購入検討者が一定頻度で現れる場合は良いのですが、マーケットは常に流動的なため、当初売出価格では成約可能性が低いと想定されるケースもあります。

そのような場合は、売出しの後も適切な今後の価格明示と価格根拠を、売主様に説明する必要があります。


⑤契約の相手方となる者と契約成立に向けて積極的に調整

依頼している仲介会社の購入検討者のみならず、レインズ掲載により全国の不動産仲介会社から購入検討者の紹介が入ります。

これら全ての契約の相手方となる者と、情報の提供・現地案内・条件など売主様と相手方を積極的に招請する必要があります。

⑥購入申込が相手からあった場合は遅滞なく、その旨を報告


全ての契約の相手方となる者から購入申込があった場合は、その情報に優劣をつけず、遅滞なく売主様へ報告する必要があります。

いかがですか?

このように媒介契約後、以上6つの履行義務を誠実に実行する責任が仲介会社には伴っています。

ですが担当者の力量や性格・性質、あるいは仲介会社そのものの企業風土によっては、これら責任に対して不誠実な会社・担当者も存在します。

契約の白紙解除

そこで媒介契約(専任)では

①売主への不告知・不実の告知
②信義を旨とし誠実に遂行する義務に違反


以上2点のどれかに抵触する場合は、契約解除ができる。と規定されています。

①売主への不告知・不実の告知

専任媒介契約に係る業務(誠実な履行義務の6つ)について、故意もしくは重過失により、事実を告げず、不実のことを告げる行為をしたとき。


例えば、広告していないのに「広告をした」との報告や、案内があったにも関わらず「誰も内見がいない。」など事実と異なる報告(不実の告知)をする担当者や会社もあります。


不告知の例で言えば、同じマンション内で他の売り物件が安い価格で登場したにも関わらず、その内容を売主様へ知らせず、現状のマーケット情勢など事実を報告してくれなかったばかりに、価格をそのままにして売り時を逃すケースなどもあります。

②信義を旨とし誠実に遂行する義務に違反

買主からも仲介手数料を受け取るために、ほかの不動産会社の問い合わせに対して「すでに売買が決まっている」などと、虚偽の情報を伝えるようなこともあります。

不動産会社にとっては、1つの取り引きで、売主からも買主からも仲介手数料を受取る両手仲介が、一番多くの利益が得られます。

このため、悪質な仲介会社になると、国土交通大臣が指定する流通機構の価値観とは真逆の行為として、ほかの不動産会社に虚偽の情報を伝えて両手仲介を狙う「売り止め」や「囲い込み」といった行為をすることがあり、これは売主にとって「本当であれば早く売却できたであろう利益」を損なうことになります。


最近では業者間での「囲い込み」は巧妙です。
レインズへの登録情報を最小限にとどめたり(情報提供の問題)、担当者と連絡がつきにくかったり、現地案内・条件など売主様の情報と相手方の要望がマッチングしないよう不誠実かつ消極的に動く会社もあります。

このように「誠実な履行義務を損なった場合」には契約解除ができます。

媒介契約は最長で3カ月

媒介契約は最長で3カ月です。
「5カ月の契約」や、「3カ月の契約期間のあとは自動更新で3カ月」といった内容はそもそも無効です。

白紙解除できない場合

売主都合で中途解除する場合は白紙解除できない場合となります。

しかしながら不動産会社にもよります。
契約違反となり違約金が課せられる可能性があるため、注意しましょう。

契約違反としては(専任媒介契約の場合)、次のようなケースが該当します。

・途中で売るのを(不誠実に)やめる
・別の仲介会社の紹介者(買主)と内緒で契約を成立させた
・仲介会社への報告なく自己発見の相手と契約を成立させた
・買取保証など媒介契約と合わせて別の契約をしている場合
・売買契約後の解除

上記のように、売買契約をすでに行っていたり、買取保証契約(覚書)など締結している場合は、売主側都合での白紙解除は基本できません。

それ以外の解除では、違約金が課せられる可能性があります。
特に別の仲介会社の紹介者と契約した場合は秘密にしていても、事実が判明した際には媒介契約完了の後も2年間は違約金を求められるケースがあります。

ただし「転勤がなくなった」などやむをえない事情の場合は不動産会社によっては違約金なしで解除できる可能性があります。
やはり売主様側にも誠実である旨が重要となります。

セカンドオピニオン(第2の意見)も大切

実際、不動産会社の対応に不満があるのだけど、それが白紙解約事由になるのか、なかなか判断ができないのではないでしょうか。

また担当者の好悪や、馬が合わないなどもあります。

「囲い込みしてそう」と思っても確認方法がわからないと思います。
でも誠実でないと感じた場合、その直感は間違っていないことも往々にしてあります。

契約を解除したい場合でも、いきなり解除を申し出るとトラブルに発展する場合があるので、まずは他の不動産会社に相談して、今の活動内容が適正なのか確認してもらう方法もあります。

また、違約金が発生しうるケースでも、売却をやめにしたい理由などを添えて事前に相談することでペナルティの発生を防げる可能性があります。

解除を検討している場合、信頼できる別の不動産会社にオピニオン(第2の意見)を求めてみることもおススメです。

当社CoCoDA by ブロッサムデザイン株式会社にも、不動産業界で長年経験を積んだ社員がおります。
どうぞお気軽にご相談ください。